津波警報でキャンセルしたレッスン
朝の支度を終えてホッとひと息つこうと思った瞬間、突然スマホからけたたましい警報音が鳴り響いた。
何が起きたかわからず、急いで画面を見てみると…
「津波警報」「避難」の文字が。
揺れてないのに?避難ってどうすればいいの?
頭が真っ白になりながらも、とにかく急いで家を出た。
震源は、カムチャツカ半島。
わたしの住む地域も津波の警戒区域に含まれ、安全が確認されるまでは避難を続ける必要があった。
とても英語の勉強ができる状態ではなく、予約していたオンラインレッスンはキャンセル。
幸い津波の被害はなく、約半日の避難のあと無事に帰宅することができた。
無事でいられたことに感謝しつつも、気持ちはずっと張りつめたまま。
明日のレッスンどうしよう…
迷ったけれど…レッスンを受けてよかった
結局レッスンの予約はしないまま朝を迎えた。
迷いながらも、なんとなく予約画面をのぞいてみると…
先生の枠がまだ空いている!
昨日の出来事を先生に話してみようかな。
でも…避難って英語でなんていうんだろう?
発音できないことばは、使えない
昨日、テレビに表示されていた「EVACUATE(避難)」の文字。
意味はなんとなくわかったけれど、読めない・言えない・使えない。
そこで、試してみたのが…
シラブル分け(音節分け)
発音が苦手なわたしは、発音記号よりも音のリズム(区切り)で覚える方がしっくりくる。
例えば、「evacuate」なら…
i – VAC – you – ate
リズムにのせて口に出すと、不思議といいやすくなる。
英語は音の塊でできているのかもと気がついた。
はじめて「evacuate」が自分のことばになった
レッスンで先生と顔を合わせた瞬間…
「大丈夫だった?ニュース見たよ!」と優しく声をかけてくれた。
そして、勇気を出して伝えてみる。
I had to evacuate yesterday because of a tsunami warning.
なんと、先生の住む地域(フィリピン)でも1メートルほどの津波あったそう。
地震の規模の大きさを改めて実感。
ひとつの単語が自分の体験と結びついて、はじめて使える英語になった気がした。
「Chona Mae」と「tsunami」のはなし
先生がこんな話をしてくれた。
2012年、フィリピンで起きた出来事。
ある母親が娘を探して「Chona Mae!(チョナ・メイ)」と叫んだ声が「Tsunami!(津波)」と聞き間違えられ、パニックが起きたそう。
実際その日、津波警報は出ており、一部の地域では津波が観測されていたとか。
誤解と現実が重なってパニックが広がり、全国ニュースにもなったほどの騒ぎになったという。
さらに先生がこう続けた。
フィリピンで「Chona Mae」はよくある女性の名前
子供を探したり怒ったりするときに大きな声を出す母親が多く、先生も子どもを呼ぶ時には大声にならないように気をつけている、と。
話を聞きながら、ある疑問が湧いてきた…
「tsunami」は日本語?英語?
「tsunami」って日本語?英語?と聞いてみた。
すると先生は、「sushi」を「fish on the rice」とは言わないように、津波もそのまま「tsunami」だよと教えてくれた。
気になって少し調べてみると…
「tsunami」が世界共通語になるまで(諸説あり)
「tsunami」の語源と共通語になったいきさつをまとめてみました↓
- 「津波(tsunami)」は、日本語の「つ(港)+ なみ(波)」= 港に入ってくる大きな波という意味が語源
- 1897年に小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が書いた本『仏の畑の落穂(Gleanings in Buddha-Fields)』のなかの一編「生神様(A Living God)」とで、「Tsunami!」というセリフが登場
- 実はその1年前の1896年にアメリカの雑誌『National Geographic』で「tsunami」という単語がすでに使われていたとも
- その後、地震学などの分野で専門用語として使われはじめ、少しずつ世界のいろいろな国に広がっていった
- 現在では、英語圏でも「tsunami」とそのまま書かれることばとなった
わたしの英語力では、「生神様(A Living God)」から「tsunami!」の単語を見つけるのがやっと…
まずは日本語訳で読んでみて、いつか英語版で読めたらいいな。
英語版はこちら
日本語版はこちら
まとめ:ことばは、経験と結びつくと記憶に残る
今回、「EVACUATE」という単語 は避難というリアルな経験を通じて自分のことばになった。
今まで英語を学んでいて、知らない単語は全然覚えられなかった。
でも今回は…
- 発音から入って
- リズムで感じて
- 実体験と結びついて
ことばの壁をほんの少し越えられた気がする。
これからも新しい単語に出会ったら、まずは声に出して、リズムにのせてひとつずつ、自分のことばとして覚えていけたらいいな。
わたしが利用しているオンライン英会話はこちら

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